Bologna Children’s Book Fairに行ってきた(4)「実感する」

出版社の対応は各社様々で、ひとまとめには出来ない感じです。

反応は良くても日本の作家とのやりとりは大変、と懸念を示すところもありましたし
作品を見せた段階で、ロイヤリティのパーセンテージまで確認するところもありました。
(これは私に限らず確認していたようです)

あくまで主観ですが、売り込みの際感じた事を項目別にまとめてみました。

●どうやってみせる?

まずイラストのファイリング。
私は展示があったのでプリントアウトしたものをクリアファイルに入れていきましたが
他国のイラストレーターの中にはカルトンに原画をバラバラと入れている人も多く見受けられました。

絵本に関しては、ダミー本があれば原画はサンプル程度に2、3枚でいいのかもしれません。
私は絵本2冊分の原画(27枚)を全て持って行きましたが、重くて負担になりました。前頁分は必要ないかも。

●絵本は必要?

単発のイラストより、実際多くの出版社が見たがっているのは絵本の形になったもののようです。
最初にイラストファイルを見せると「ストーリーのあるものは無いの?」と言われ
慌ててダミー絵本を出す事もありました。

原作があって絵だけを依頼するにしても10数ページにわたるお話を絵にしたらどうなのか
それをイメージさせるのに絵本のダミーは必要なのだと思いました。

●出版社を選ぶ基準は

ブースの雰囲気や出版物を見て、自分の作風にあったところに売り込むのが妥当と思っていましたが
そうとも限らないのかもしれません。

私は一見さん根性まる出しで、作風の違う出版社の行列でも並びましたが
結果的にいずれも反応が良かったのです。

確かによく考えてみれば、似ている作風なら既存の作家を使えばいいわけで、
特にイラストレーターの作品を見る時間を設けている出版社は、新しい作風を求めているのかなと思いました。

●どこまでいけばOKなのか

売り込みでどういう状態になればOKなのかが分からなかったのですが
エディターのメールアドレスを教えてもらって、作品のPDFファイルを送る、というのがまず第一段階のようです。

当然ですが、作品を見せてその場で「すぐ出版しましょう」とはならないので
後に社内で協議する感じなのだと思います。

結果的に数社とPDFファイルを送る約束をしましたが、連絡先の伝え方も様々です。

エディター本人のアドレスが印刷された名刺をくれるところ。
会社共通の名刺にエディター本人が名前を書いて、メールのタイトルに入れるよう指示するところ。
私のノートに直接メールアドレスを書いてくれるところ。
自分のノートをやぶってその場でアドレスを書いて渡すところ(笑)。

手書きは貰った時は嬉しかったのですが、向こうの人の書くアルファベットは解読が大変。
帰国して、いざメールを送るぞという段階になってから苦労しました。

 

・・・さて。
やるだけの事はやったので、後は出版社の方の判断に委ねるのみです。
編集者の目で見て、今出すべき本ならそうなるでしょうし、出す必要がないならそうなるのでしょう。

いずれにしても、初めて絵本をいいと言って貰えたのがとても嬉しかった。

絵本を続ける希望が持てたこと。新しい目標が出来たこと。
それがとにかく大きな収穫でした。

また来年に向けて、刀を磨いておきますとも。

最後に、同行しいろいろお力添えを下さった皆さま。
応援してくださった皆さま。

どうもありがとうございました!

(ボローニャ記・おわり)